読む本探している人必見!おすすめ小説(国内)を15作品紹介!

教養
悩める人

小説を読みたいけど、何かおすすめの本ある?読みごたえがあって面白い本を読みたい!

この記事では、読む本を探している方や読んで後悔しない本を探している方に向けて、普段本の虫である筆者がおすすめの国内小説を15作品を簡単に紹介していきます!

あまり読書をしない方、普段から読書をする方、本の虫の方、どなたにもおすすめできる作品を紹介していきたいと思います!

なお、紹介する作家は一作品一作家とし、偏りなくより多くの作家を紹介していきます。

伊坂幸太郎『砂漠』

読書好きな方なら絶対に一冊本棚に入っていると言っても過言ではない伊坂幸太郎さんです。

『重力ピエロ』など色々迷いましたが、やっぱり一番好きな『砂漠』をピックしました。

舞台は仙台の大学。ちょっと風変わりな五人の学生たちが集まり、キャンパスライフが始まります。恋愛、友情、サークル活動、そして時には事件や不条理な出来事……。


どこにでもあるような大学生活が、伊坂幸太郎の手にかかると、不思議ときらめきとユーモアに満ちた物語へと変わっていきます。

爽快で、どこか切なく、それでも読後は心に温かな余韻が残る青春小説。伊坂作品のユーモアと哲学に触れたい方、学生時代の空気をもう一度味わいたい方に、ぜひおすすめの一冊です

辻村深月『スロウハイツの神様』

小説家や映画監督、声優志望に漫画家の卵。創作に情熱を燃やす若者たちが住むシェアハウス「スロウハイツ」を舞台に、笑いあり涙ありの共同生活が描かれていきます。彼らの日常はにぎやかで夢に満ちている一方、それぞれの心には挫折や葛藤も隠されています。

青春小説の爽やかさ、群像劇の温かさ、そしてミステリーの緊張感が見事に合わさった傑作。読後には「誰かと一緒に生きること」の尊さを、じんわりと実感させてくれるはずです

辻村深月さんの作品は心温まる名作ばかりです。ぜひ手に取ってみてください。

乾くるみ『イニシエーション・ラブ』

1980年代の静岡。冴えない大学生の「僕」は、合コンで出会った可憐なマユに心を奪われます。ぎこちなく始まった恋は、やがて甘く切ない時間へと変わり、青春のときめきが鮮やかに描かれていきます。

しかし、この物語を「単なる恋愛小説」と思って読み進めてはいけません。
ラストのたった一文によって、それまで読んできた全てが反転し、驚きと戦慄に包まれるはずです。

『イニシエーション・ラブ』は、“必ず二度読みたくなる小説”として話題となった作品。青春恋愛小説としても楽しめますが、同時に、緻密に仕掛けられたミステリーとして読者を翻弄します。

筆者も読んだ後は、「え?」となってもう一度読み返しました。貴重な読書体験ができます。

平野啓一郎『マチネの終わりに』

クラシックギタリストの蒔野聡史と、パリ在住のジャーナリスト小峰洋子。
ふとした出会いから惹かれ合った二人は、互いに深い想いを抱きながらも、遠距離や時間、そしてさまざまなすれ違いによって心を揺さぶられていきます。

『マチネの終わりに』は、恋に臆病になりがちな“大人”に向けたラブストーリー

芸術と思想を背景に、人生の成熟期に訪れる愛の可能性と切なさを、静かに、しかし濃密に描き出します。

まるでクラシック音楽を聴くように余韻が残る物語は、読後にしっとりと心を満たしてくれるでしょう。

大人の恋愛小説を探している方、じっくりと味わう読書を求める方におすすめの一冊です。

宮下奈那『羊と鋼の森』

ある日、山の匂いに包まれて育った青年・外村直樹は、調律師の仕事に出会います。ピアノの中に広がる「羊毛(フェルト)の柔らかさ」と「鋼(弦)の力強さ」――その音の森に魅せられた彼は、不器用ながらも調律師として歩み始めます。

『羊と鋼の森』は、音楽に携わる人々との出会いと別れを通じて、外村が少しずつ成長していく姿を描いた青春小説です。静かで穏やかな文章の中に、ピアノの響きや森の気配が感じられ、読んでいるだけで心が澄んでいくような読書体験が待っています

音楽をテーマにしながらも、この物語が問いかけるのは「人が人を育てる」という普遍的なテーマ。努力や不安、喜びや憧れ――その一つひとつが調律の音のように丁寧に重なり合い、読後には優しい余韻を残します。

スラスラ読める作品なので、最初に読むのにも最適な一冊です。

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅』

筆者が一番好きな作家である村上春樹さんはどうしても紹介したくなりました。『ノルウェイの森』や『1Q84』もいいですが、今回紹介するのはこの作品です。

多崎つくるは、大学2年の夏、何の理由も告げられずに親友たちから突然切り離されてしまいます。以来、彼の心には深い喪失感が刻まれ、「自分には色がない」という思いを抱えたまま大人になっていきます。

やがて恋人の勧めを受け、つくるは過去と向き合うための“巡礼”の旅に出ます。フィンランドまで足を運び、かつての友人たちに会い、長年封じ込めてきた記憶と感情に触れる――その過程で、彼は自分自身の存在と向き合っていくのです。

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅』は、孤独、友情、愛、そして赦しをめぐる物語。村上春樹特有の静謐で透明感のある文体が、読者を内省の旅へと誘います。

難解な村上春樹さんの作品ですが、この作品は比較的手に取りやすいと思います

三浦しをん『舟を編む』

アニメ化もされた有名な作品ですね!

『舟を編む』は、出版社に勤める馬締光也が、仲間たちと共に新しい国語辞典「大渡海」の完成を目指す物語です

几帳面で不器用な馬締、豪快で人情味あふれる先輩・荒木、そして辞書を愛し、言葉に真摯に向き合う仲間たち。彼らの姿は、地味な作業の積み重ねの中に確かな情熱とユーモアを浮かび上がらせます。

辞書づくりはまさに「言葉の海を渡るための舟を編む」営み。言葉を愛する気持ちや、人と人とをつなぐ力が丁寧に描かれています。読後には、身近な言葉さえも新鮮に輝いて見えるはずです。

静かな感動と温かな余韻を残す、本好きにはたまらない一冊です。

筒井康隆『残像に口紅を』

ここでは一風変わった実験的な小説を紹介したいと思います。

「ある日、ひとつの文字が世界から消えたら?」
そんな大胆な発想から始まるのが、筒井康隆の実験的小説『残像に口紅を』です。

物語は、一文字ずつ言葉が消滅していく不思議な現象の中で進んでいきます。やがて作中の文章からも、その文字が消えていき、読者は小説とともに言語の喪失を体感することになります

愛する人との記憶、消えゆく世界への戸惑い、そして言葉そのものの存在意義――。本作は、遊び心に満ちた言語実験でありながら、同時に文学と人間の本質を問いかける深い物語でもあります。

章が進むにつれ、「あ」をはじめとして文字が少しずつ文章から消えていくというのは大変面白いと思います。

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』

星野源さん、花澤香菜さんが声優を務めているアニメ映画もある作品です。

黒髪の“乙女”にひと目惚れした“先輩”は、彼女の気を引こうと四苦八苦。けれど、恋の行方は思うようには進まず、二人の物語は奇想天外な京都の夜をめぐる冒険へと広がっていきます。

古本市に下鴨神社の伝説、酒席での大騒動、謎めいた人物たちとの出会い――現実と幻想の境界が曖昧になる中、軽妙なユーモアとロマンチックなときめきがあふれ出します。

『夜は短し歩けよ乙女』は、恋と青春、そして京都の夜の魔法を描いた傑作。森見登美彦らしいユーモラスな文体と独特の幻想味が、読者を不思議な世界へと誘います

読み終えたあと、ふと「夜の街を歩いてみたくなる」ような、甘く切ない余韻を残す一冊です。

恩田陸『蜜蜂と遠雷』

芳ヶ江国際ピアノコンクールに集った若き才能たち。
かつて天才少女と呼ばれた亜夜、音楽の道を一度は断たれた明石、自由奔放なマサル、そして“風間塵”という謎めいた少年――。彼らが同じ舞台で競い合い、響き合い、音楽にすべてを懸ける姿が描かれます。

小説でありながら、まるで音楽が聴こえてくるような臨場感。緊張感あふれる演奏シーンと、登場人物たちの葛藤や成長が絡み合い、読む者を舞台の上へと引き込みます。

『蜜蜂と遠雷』は、第156回直木賞と第14回本屋大賞をW受賞した話題作

凪良ゆう『流浪の月』

9歳の更紗は、親の事情で孤独な日々を送っていた。そんな彼女を受け入れたのは、19歳の大学生・文。二人の穏やかな生活は「誘拐」と見なされ、引き裂かれてしまう。
――そして15年後、偶然の再会を果たした二人は、社会の「正しさ」と自分たちの「真実」の間でもがきながら、再び歩み始める。

『流浪の月』は、世間の常識から外れた関係に焦点を当て、人と人との結びつきのかたち、そして「理解されない愛」の姿を描いた物語です

第17回本屋大賞受賞作として注目を集め、映画化もされた本作は、読む人に「他者を本当に理解するとはどういうことか」を静かに問いかけます。

優しさと痛みが共存する一冊。読み終えたあと、きっと心の奥に長く残るでしょう。

原田マハ『暗幕のゲルニカ』

ニューヨーク近代美術館(MoMA)に勤める八神瑤子は、ピカソの代表作《ゲルニカ》の展覧会を任される。
一方、物語は1937年のスペインへ遡り、ナチスによる無差別爆撃をきっかけに、ピカソが《ゲルニカ》を描き上げるまでの軌跡が描かれる。

現代と過去、二つの時代が交錯しながら、芸術が持つ力と、戦争の記憶を伝える使命が浮かび上がっていきます。

『暗幕のゲルニカ』は、芸術を愛するすべての人に贈られる歴史小説であり、同時に「今を生きる私たち」への問いかけでもあります
戦争、暴力、そして表現の自由――ピカソが込めた魂の叫びは、時代を超えて読む者の胸に響きます。

アートとヒューマンドラマを融合させた、原田マハならではの感動作です。

安部公房『砂の女』

ここで一つ、古典的な作品を紹介します。

安部公房は私が最も好きな作家の一人で、この作品は特におすすめです。

昆虫採集のために砂丘を訪れた教師・仁木。彼が村人に案内されたのは、深い砂穴の底にある一軒の家だった。そこに暮らす「砂の女」と共に、彼は一夜を過ごすはずだったが、やがて砂穴から出られないことに気づく。逃れようとしても、絶え間なく流れ込む砂と、村人たちの監視がそれを阻む。

『砂の女』は、日常から突然切り離された男が、果てしない砂の労働と女との共同生活に閉じ込められる物語。不条理な状況の中で、人間の自由や存在の意味が鋭く問いかけられます

閉塞と反復の中に見える諦念と安らぎ。出口のない砂穴は、現代社会そのものではないでしょうか。

柚木麻子『BUTTER』

世間を騒がせた「婚活殺人事件」の女・梶井真奈子。彼女は男たちを虜にし、財産を巻き上げた末に殺害したと報じられている。
雑誌記者の里佳子は、その真相を探るために取材を始めるが、接触するたびに翻弄され、次第に彼女の持つ不可思議な魅力に惹き込まれていく。

本作では「食」が重要なモチーフとして描かれます。バターの香りに満ちた濃厚な料理は、女性の欲望、社会からの抑圧、そして自由への希求を象徴します。

『BUTTER』は、女性の生き方やジェンダー観に鋭く切り込みながら、人間の本質に迫る社会派エンターテインメント。
読み進めるほどに、「欲望とは?」「幸せとは?」という問いが胸に迫ってきます。

ボリュームある作品ですが、面白さからあっという間に読めてしまいます

村田沙也香『地球星人』

『コンビニ人間』で話題になった村田沙耶香さんですが、この作品はもっと衝撃的ですよ(笑)

小学生の奈月は、自分を「地球に紛れ込んだ異星人」だと信じていた。家族からの虐待、学校という閉じられた社会、そして「ふつう」であることを強いる世界。彼女にとって日常は、まるで異世界の牢獄のようだった。

やがて大人になった奈月は、同じように「ふつう」からはみ出した人々と出会い、自分たちの居場所を求めていく。しかし、その選択はあまりに過激で、読む者の想像を超えていく――。

『地球星人』は、現代社会の「常識」や「普通」という名の暴力に鋭く切り込み、読む者を根底から揺さぶる物語です。


衝撃的でありながら、どこか救いにも似た解放の感覚を残す一冊です。

まとめ

この記事では、筆者のおすすめする15の小説を紹介してきました。

読む小説を探している方はぜひ参考にしてみて下さいね!

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