巷では、よくロシア語は難しいと言われています。
なんか見たことない難しそうな文字が使われているし、発音もとっても難しそう……
確かにロシア語は非常に難しい言語です。キリル文字という独特な文字をまず覚えなければいけないし、規則もたくさんあって大変です。
しかし、一方で英語や他の言語と比べて易しい部分もあるのです。
この記事では、どこが難しくてどこが優しいのか、ロシア語の特徴について紹介していきます。
ロシア語の勉強を始めたいと思っている方やロシア語に興味のある方はぜひ参考にしてみてください!
目次
- ロシア語の難しいところ
- 独特な文字を覚えなければいけない
- ロシア語最難関の語尾変化(格)
- 1つの意味を示す動詞に2つの形がある
- ロシア語の易しいところ
- 語順はかなり自由
- 冠詞がない
- 名詞には3つの性があるが語尾で大体判別可
独特な文字を覚えなければいけない
ロシア語の最初の壁は文字でしょう。
フランス語などのアルファベットを使う文字はこの段階をスキップして学習を始められますが、ロシア語はまず文字学習からスタートです。文字を覚えないと何もできないですからね。
見慣れた文字もあれば見慣れない文字もあると思います。
見慣れた文字
смторавукенх
見慣れない文字
йцгшщзъэждлпыфячитьбюё
見慣れた文字でもアルファベットと全然違う読み方をするものがあります。
例えば、рは巻き舌のラ行で、нはナ行の音です。
慣れるまでにある程度の時間を要します。
しかし、ロシア語は文字と音がほとんど1対1で対応しているので、読み方さえ覚えてしまえば初見の単語でも読めます。辞書にも発音記号がありません。
とはいえ、初見の単語が読めるようになるには相当の慣れが必要に思いますが……
ロシア語最難関の語尾変化(格)
おそらく、ロシア語で一番難しいのが格変化ではないでしょうか。多くの学習者がそう答えると思います。
ロシア語に文中での役割や動詞・前置詞の関係によって、名詞が6つの形に変化します。
主格、生格、与格、対格、適格、前置格の6種類があって、複数形も合わせると12パターンに変化します。
さらに、男性名詞、女性名詞、中世名詞の語尾ごとに形が異なり、これに合わせて代名詞、形容詞、数詞も変化します。
またさらに、名詞には活動体と不活動体があって…と覚えることが多すぎて挫折しそうになります。
日本語では、「りんご」「りんごに」「りんごを」「りんごの」とりんごそのものの形は変化しませんが、ロシア語では極端にいえばりんごがりんがになったり、りんぎになったりする感覚です(笑)
この格変化を突破できるかどうかがロシア語学習の鍵でしょう。
1つの意味を示す動詞に2つの形がある
ロシア語の時制は過去・現在・未来の3つで比較的わかりやすいのですが、その代わりに動詞ごとに完了体と不完了体の2種類があってそれぞれ覚えなければなりません。
つまり、同じ意味を示す動詞に2つの形があるということですね。
「読む」
完了体:прочитать 不完了体:читать
「書く」
完了体:написать 不完了体:писать
「受け取る」
完了体:получить 不完了体:получать
動詞ごとに覚えていかなければいかないので慣れるまではかなり大変ですね。
語順はかなり自由
さて、ロシア語の難しいところばかりを先に紹介してきたので、「ロシア語激ムズやんけ!」という風に思われたかもしれませんが、実はロシア語も他の言語と比べて易しいところもあります。
一つ目は、語順がかなり自由であるということです。
英語だとSVと主語がきて動詞がきてと語順が結構厳格に決められていますよね。並び替え問題とか懐かしいのではないでしょうか。
しかし、ロシア語は動詞の後に主語を持ってきたり、いきなり前置詞から始めたりと語順に縛りがあまりありません。
言いたいことを基本的に後に持ってくるのが一つロシア語の特徴でもあります。
冠詞がない
ロシア語には冠詞がありません!
個人的にはこの特徴が一番ありがたいなと思っています。
冠詞というは、英語でいえばaとかtheとか名詞の前につけるものです。不定冠詞を使うのか定冠詞を使うのか、同じく冠詞を使わない日本語には馴染みがなく難所のひとつです。
冠詞を付け忘れたり、付ける冠詞を間違えるなんてことは常にあります。
ロシア語には冠詞がないので、そのような心配をしなくてもよくなります。
名詞には3つの性があるが語尾で大体判別可
英語にはないですが、他のヨーロッパ言語にはよくある名詞の性はなかなか理解ししづらいですよね。
ロシア語には男性名詞・女性名詞・中世名詞と3つも性があります。
3つもあって大変だと思いそうになりますが、実はほとんどすべての名詞が語尾によってどの性であるか判別することができます。
参考までに見分け方の表をここに載せます。
男性名詞
-子音, -й, -ь
女性名詞
-а, -я, -ь
中世名詞
-о, -е, -мя
フランス語やドイツ語のように名詞の性をあらかじめ覚えておく必要がないので、その分ロシア語は易しいといえます。
しかし、語尾変化が激しいので変化の形を覚えておかなければいけませんが…
まとめ
ロシア語の特徴を紹介してきました。
難しいところと易しいところそれぞれ3つずつ取り上げてきましたが、みなさんはロシア語にどのような印象をお持ちになりましたか?
この記事でロシア語に少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。
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