「ドイツ文学を読んでみたい!」「有名なドイツ文学の作品を知りたい!」「読みやすいドイツ文学ってあるの?」
この記事ではドイツ文学に触れてみたいと思っている方向けにおすすめの作品を10作品紹介しています!
どれも有名な作品ばかりなので、聞いたことのある作品もいくつかある思います!
ドイツ文学は奥深く考えさせられるような作品ばかりですので、ぜひ興味を持って読んでいただけたらなと思います!
ドイツ文学の大まかな流れを知りたい方はこちらの記事もおすすめです!
ゲーム『若きウェルテルの悩み』
初めに紹介するのはいわずと知れた名作ゲーテんお『若きウェルテルの悩み』です。
ご存知の方も多いと思いますが、まだ読んだことがないという方はドイツ文学に入るきっかけとしてまずはこの本から入ってみるといいと思います。
あらすじとしては、青年ウェルテルが婚約者のいるシャルロッテに恋をするも、叶わず自殺してしまうというものです。
あらすじとしてはいたって単純ですが、ウェルテルの心の内がとても繊細に描かれ、読む者の心に訴えかけてきます。ナポレオンも愛読したとか。
ドイツ文学の顔というべきゲーテの代表作ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
カフカ『変身』
こちらも非常に有名な作品ですね!
ある朝、目が覚めたら巨大な虫になっていたという衝撃的な始まりが特徴的な作品です。
虫になってしまったことで、自分の存在意義について深く考えさせられます。
「もし自分が虫になったとしたら、どうなるだろう?」と作品に自分を重ね合わせながら読むと面白いと思います。
当たり前がぐらつくような読書体験ができると思います。
短いのでとても読みやすいのもおすすめポイント!
グリム童話
『ヘンゼルとグレーテル』、『赤ずきん』、『白雪姫』などグリム童話を知らない人はいないでしょう。
ですが、あえてここでグリム童話を紹介するのは、その怖さと深さを備えた魅力を再発見してほしいからです。
皆さんがグリム童話と聞くと、おそらくハッピーエンドで終わるおとぎ話を想像するのではないでしょうか?
しかし、原典のグリム童話はそんなに優しい話ではありません。
残酷な描写や教訓が散りばめられており、文学作品としては高い価値を持っていると思います。
奥深いグリム童話の原典をぜひ味わってみましょう。
ヘッセ『車輪の下』
ヘルマン・ヘッセといえば、中学校の時に国語の授業で読んだ『少年の日の思い出』が懐かしいですが、共感できる方はいらっしゃるのかな(笑)
この『車輪の下』のあらすじはこうです。
主人公は、田舎町で「神童」と称えられるほど優秀な少年。厳しい教育と周囲の期待の中で、彼は神学校への進学を果たします。しかし、規律に満ちた学校生活の中で、次第に心と体のバランスを崩していくこととなり…
優秀さが重視され、個性が抑え込まれる社会派果たして善なのか?もっといえば「本当に大切なのは何か」について考えさせられるいい本だと思います。
学生の方、社会人の方両方に刺さるのではないでしょうか。
エンデ『モモ』
『モモ』もよく書店で見かけるようになりました!タイトルだけでも知っている方は多いと思います!
モモというのは主人公の女の子の名前。彼女にはある才能がありました。それは、人の話をじっと、心から聞くことができる力。
ある日、町に「時間どろぼう」たちが現れ、人々から時間を奪っていきます。急かされ、働かされ、心のゆとりをなくしていく大人たち。そんな中、モモは人々の「時間」を取り戻すために立ち上がります。
『モモ』は時間の大切さや意味を忘れがちな現代人に強く訴えかける作品です。
ファンタジーで、わりとボリュームがありますが、読みごたえがあって、大切な時間が無駄にならない一冊です。
トーマス・マン『魔の山』
ドイツの長編作品として知名度が高い『魔の山』ですが、あらすじを知らないという方は意外と多いのではないでしょうか。
『魔の山』というインパクトのあるタイトルから内容がそそられますね!
主人公のハンス・カストルプは休暇で訪れた結核療養所にほんの三週間だけ滞在するつもりでしたが、なんと7年間もその地で過ごすことになりました。
それは、その地で出会った人々や不思議な空気に引き込まれたからです。
療養所という閉鎖的な空間の中で主人公の中で大きな変化が生まれます。
かなり長編な作品ですが、非常に読み応えのある作品です。ドイツ文学の傑作を味わいたいという方はぜひ!
ニーチェ『ツァラトゥストラ』
ニーチェの名前を聞いたことがない人はいないでしょう。
そしてその代表作『ツァラトゥストラ』についても聞いたことがあるでしょう。
ツァラトゥストラとは、ゾロアスター教の開祖であり、この作品の主人公です。ツァラトゥストラの名を借りながら、実際はニーチェ自身であり、彼の思想が小説の形で語られます。
ではその思想とは何なのか?一言でいえば、「超人」になるための道です。
「超人」とは、既存の道徳や宗教に囚われず、自分の価値観は自分自身で作り出せる者です。有名な「神は死んだ」とはこうした思想に裏付けられているのですね。
筆者自身が学生時代に心酔し、今でもバイブルの一つになっている作品でもあります。
リルケ『マルテの手記』
リルケといえば詩を思い浮かべる方が多いでしょう。
それもそのはずで、リルケは生涯残した小説が一冊しかなく、それが『マルテの手記』です。
舞台は20世紀初頭のパリ。この作品は、物語というよりも内面の旅。パリの裏通りや病院、夜の広場といった光景が、鋭く詩的な言葉で切り取られ、そこに幼少期の記憶や芸術への思索が交錯します。
静かに、しかし確実に心に沈殿していく文章は、何度も読み返すたびに新たな響きをもたらします。華やかなパリを舞台に、現代にも通じる“生きる不安”を描いた内面の傑作。
ある意味で詩よりも詩的な作品を味わってみて下さい!
シャミッソー『影をなくした男』
次に紹介するのは、シャミッソーの『影をなくした男』です。
ある日、青年ペーター・シュレミールは、不思議な紳士と出会い、自分の「影」を売ってしまいます。代わりに得たのは、いくら使っても尽きない金貨の入った財布。
皆さんは自分の影の存在意義について考えたことはありますか?
影を売ってお金が手に入るなら…と主人公の気持ちがわからなくもないでしょう。
しかし、影を失った彼は、周囲から恐れられ、仲間からも拒まれ、やがて孤独の中をさまようことになります。
影は単なる身体の付属物ではなく、人格や存在の象徴。それを失ったペーターの数奇な運命は、現代の私たちにも通じる問題を映し出すのではないでしょうか。
読みやすい文章なので、最初の一冊にもおすすめです!
ホフマン『黄金の壺』
幻想文学といえばホフマン!
『砂男』など面白い作品がたくさんありますが、ここでおすすめしたいのは『黄金の壺』です。
祝日の午後、青年アンゼルムスはドレスデンの市場で転んでしまい、果物を台無しにしてしまいます。叱られ、落ち込む彼の耳に、不思議な声が響きます――「ようこそ、黄金の壺へ」。
そこから始まるのは、現実の街と幻想の世界が入り混じる、不思議で可笑しな冒険です。
美しい蛇の姿をした少女セリペと出会い、魔法使いリンデホークの陰謀に巻き込まれながら、日常と魔法の世界を行き来します。物語はユーモラスで奇想天外ですが、その底には、芸術や想像力の力への讃歌が流れています。
ホフマンらしい作品で、幻想文学が好きな方には特におすすめです!
まとめ

今回は、ドイツ文学を読んでみたいという方向けににふさわしい10作品を紹介しました!(いくつか難しい作品もありますが)
どの作品も知名度が高く、どの作品を読んでも損がないので興味を持った作品から手にいただけると嬉しいです!



