『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』はライトノベル原作で、アニメ化前から人気のある作品でしたが、アニメ化することで一躍有名になりました。
アニメ化に先立ってコミカライズもされていて、こちらも非常に好評です!
アーリャさんがボソッと呟くロシア語はとてもかわいいですね。
しかし、かわいいだけでなくロシア人によってきちんとロシア語が監修されているだけあって、作品中に登場するロシア語はロシア語学習者にとって勉強にもなります。
というわけで、『ロシデレ』で楽しくロシア語を学ぶために、初心者が特に学ぶべき表現をまとめてみました。
『ロシデレ』を観てロシア語に興味を持たれた方はぜひ読んでみてください!
Милашка
最初に紹介するのは、Милашка(ミラーシュカ)です。
アーリャが政近に向かって「かわいい」とからかうように呟いた言葉です。
Милашкаは基本的に話し言葉で使われる表現で、「愛らしい人」「かわいい人」という意味です。
形が似ているМилачкаもよく使われます。小さな女の子に呼びかけるときに普通使われます。
他にロシア語でよく使われるМилаяを覚えておきましょう。人・もの問わず使うことができます。
Я тебя люблю
次に紹介するのは、Я тебя люблю(ヤーチビャーリュブリュ)です。
「君が好きだ」という意味です。
アーリャは政近に向かって可愛くボソッと呟きました。(もちろん政近には意味が分からないと思って言ったのですが)
せっかくなのでこのフレーズを使って簡単にロシア語の文法を解説してみたいと思います。
まずЯですが、これは英語のIと同じで「私」を意味する一人称です。
次にтебяですが、これは「君を」を意味する対格という形です。I love youのyouに当たる部分ですね。
ちなみにロシア語には「あなた」を意味する二人称には二種類があります。
一つはты(トゥイ)で、親しい相手に呼びかける時に用います。
тебяはтыの対格なので、当然ですがアーリャは政近に親しい間柄での呼びかけをしているわけです。
もう一つは、вы(ヴィ)でこれは敬語的で初対面や目上の人に対して用います。
вас(ヴァス)はвыの対格なので、少し不自然ですが、敬語的に告白するとしたらЯ васлюблю(私はあなたが好きです)になります(笑)
ロシア語には目的に応じて二種類の二人称がある。
ты「君」(親しい間柄で使う)
вы「あなた」(敬語的で初対面や目上の人に使う)
Я никогда тебе не расскажу
Я никогда тебе не расскажу(ヤーニカグダーチビャーニラスカージュ)
コミックでは「一生伝えてあげないけど」と訳されています。
アーリャが政近がロシア語を知っているとはいざ知らずに、ロシア語のつぶやきの意味を教えないと言っている場面です。
никогдаは「決して~ない」という否定辞で英語のneverに近いです。
この文章で押さえておきたいロシア語文法は、否定のнеです。
英語のnotに相当し、動詞の前につけることで否定文を作ることができます。
неを動詞の前につけて否定文を表す
Я тебя не люблю(私は君が好きじゃない)
У меня ведь тоже серебристые волосы
У меня ведь тоже серебристые волосы(ウーミニャーヴェートトージェシリブリスチェヴォロシー)
長いですが、「私だって銀髪なのに」と訳されています。
政近がゲームの銀髪美少女を可愛いと言うのに嫉妬してアーリャがつぶやいた一言です。
ここで大切なのは、У меняという構文です。
У меняの後に名詞を置くことで、「私は~を持っている」という意味になります。
ведь тожеは副詞なのでここではсеребристые волосы(銀髪)が名詞になります。直訳で、「私は銀髪を持っている」という意味ですね。
У меняの後に名詞を置くことで所有を表す
まとめ
まだまだ紹介したい表現がたくさんありますが、記事が長くなりすぎてしまうのでこのくらいにしておきます。
『ロシデレ』はもちろんロシア語の知識が一切なくてもすごく面白い作品だと思います。でも、ロシア語が分かれば作品をもっと楽しめると思います!
『ロシデレ』を機に少しでもロシア語を勉強してみてはいかがでしょうか。
ロシア語に関する他の記事も一読いただければ幸いです。