【文系大学院】研究計画書はどうやって書けばいい?

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悩める人

文系の大学院入試に研究計画書は必須って聞いたけど、研究計画ってなんぞや?

まだ卒論も書いてないんだけど、一体何を書いたらいいんだ?

KIRITO

大学院入試では研究計画を必ず提出しなければいけません。

研究計画書とは、文字通り大学院に入ってどのように研究を進めていくかをまとめたものです

といってもまだ研究に慣れていない段階で今後の研究について書けといわれても困りますよね。

この記事では実際に筆者が受験先の大学院に提出した計画書を参考にして

  • 何をどのように書けばいいのか
  • 研究計画書を書く上での注意点

2点を解説していきたいと思います。

いきなり書き始めるのはNG!まずは準備を!

研究計画書を書かなければ!」と焦っていきなり計画書を書き始めるのはNGです。何も準備せずに計画書を書こうとしても薄っぺらい内容にしかなりません。

研究計画書を書く前に、自分が大学院で研究したいことのビジョンをしっかり考えましょう

考えたうえで研究テーマが決まったら、次にそのテーマについて下調べをします。具体的には、論文や書籍をいくつか読んでテーマについての「相場」を知ります

もちろん、あくまで研究計画ですのでめちゃめちゃ深く調べるところまではしなくてもいいと思いますが、「研究テーマについてどのような先行研究があるか」「どのような切り口で研究すれば意義があるか」という質問に答えられるくらいには準備が必要です。筆者の場合は、書籍を5冊、論文を3本ほど読みました。

このように計画書を執筆する前の準備が大切になってきます。そのため、研究計画書の提出期限には十分な余裕をもって準備していくことが大切になります

提出期限の半年前、できれば一年前には準備を始めましょう。

◇執筆する前に十分な下調べが必要(テーマの絞り込み、先行研究の調査)
◇研究計画書の準備は余裕を持って始めよう

研究計画書で書くべきこと

まず第一の前提として、研究計画書で書くべきことについて大学から指示されている場合には必ずそれを計画書に書きましょう

大学、そして研究分野によって研究計画書に求められることは様々です。必要事項は受験要項に必ず記されているはずなので、熟読し漏れがないように気を付けましょう。

先行研究についての言及、研究背景など求められた場合はしっかりと明記しておきましょう。書くことが指示されているということはそれだけ大学側がそれを知りたいと思っているということです。ちなみに、筆者の場合日本語で書いた研究計画書と同じ内容のものをフランス語で書きなさいとの指示がありました。フランス語のライティング能力が重視されているということですね。

◇指示されたことは必ず書く

それを踏まえた上で、一般的に研究計画書に書くべきことについて見ていきましょう。具体例については後の章で紹介しています!

まずは、大学院進学後「何を」「何のテーマを」研究したいのかを書きましょう。自分は何に関心があるのかについてはじめにアピールしておくことが大切になります。

次に書くべきことは、「なぜ」そのテーマを研究するのかについてです。研究するということは学問的に何かしらの意義が認められる必要があります。先ほど書いた「何を」の部分を研究することにどのような意義があるのか上手く伝えるようにしてください。

そして最後は「どのように」その研究に着手するかの方法を書きます。大学院に進学してどういう要領で研究を進めていきたいか具体的に書くようにしましょう。この「どのように」の部分が一番ボリュームが多くなるようにしましょう。

基本的に研究計画書の骨格はこれでOKです。後は適宜加えたい情報を肉付けしていきます。

◇研究計画書の構成
「何を」(約2割)→「なぜ」(約3割)→「どのように」(約5割)

研究計画書を書く上での注意点

・研究計画書は具体的に書く

研究計画書は具体的に書くようにしましょう。計画書の構成は骨格として「何を」「なぜ」「どのように」を書く必要がありますが、それぞれ具体的に書かなければいけません。

研究計画書は大学側に自分が研究したいことを伝えるツールですので、具体的に書かなければ相手に伝わりません

特に研究計画書は抽象的な書き方になってしまうことが多いので注意しなければいけません。

具体的に書くためには、やはり先行研究を調査するなど準備が必要になります。先行研究をしっかり自分の中で消化できていれば自然と研究計画書も具体的になっていきます。先行研究について触れることで大学側からも好感度が高くなるでしょう。

   文章を引用する場合は研究計画書でもきちんと出典を記すようにしましょう!


・研究計画書が仕上がったら第三者に読んでもらう

研究計画書を書き終えたら、誰かに読んでもらうのが理想です。

「文章は読みやすいか?」「書いていることは伝わるか?」など客観的な意見があると計画書の良し悪しが確認しやすいですね

まずは現在の指導教員に読んでもらうのがいいのではないかと思います。

筆者が書いた計画書の構成を紹介

具体的にどういった構成になるのか筆者の書いた研究計画書を基に紹介します。分かりやすくするために簡略化しています。

筆者はプルースト研究(仏文)についての計画書を書きました。参考程度に見ていただければと思います。

「何を」
『失われた時を求めて』における「死」と「夢」について

「なぜ」
先行研究で考察されたいくつかの事例を並べ、プルーストにおいて「死」というものがどのように捉えれてきたかを記す。「死」というテーマがプルースト作品でいかに重要かを確認したうえで、注目すべき研究の切り口を提示する。

「どのように」
『失われた時を求めて』の具体的な章を挙げ、その場面を「死」と「夢」という観点から考察することを示す。具体的な方法として「夢」を題材とした作家や「夢」への見解を示したベルクソンとの比較を行うことを記した。

まとめと参考文献

研究計画書は提出して終わりではない!

最後に大切なことです。それは研究計画書は提出したから無事終わりというわけではありません。

当然ですが、研究計画書に書いたことがそのまま口述試験で問われます

具体性に欠けていたり、論点が甘かったりするとそこを詰められてたどたどしてしまいます。

そうならないためにも、研究計画書を書く段階からしっかり自分の考えをまとめて、計画書を提出した後も自分の考えをきちんと伝えられるように準備しておくことが大切です

まとめ

研究計画書は確かに書くのが大変です。

しかし、研究計画書を頑張って良いものに仕上げることができれば、院試もさることながら、大学院での研究もスムーズに進めることができるのです!

ぜひこの記事を参考に素敵な研究計画書を仕上げてくださいね!

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