2024年の美術展には魅力的なものが多く、どの美術展に行こうか悩んでいる方も多いと思います。
できれば筆者も興味のある美術展にはすべて行きたいですが、これだけは絶対に見逃したくないと筆者が考える美術展をこの記事で1つ紹介します。
それはデ・キリコ展です!
この記事ではデ・キリコ展の魅力について深掘りしていきたいと思います。
デ・キリコ展概要
デ・キリコ展の開催日程は以下のようになっています。
①東京
会 期 | 2024年4月27日[土]~8月29日[木] |
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休室日 | 月曜日、5月7日[火]、7月9日[火]~16日[火]※ただし、4月29日[月・祝]、5月6日[月・休]、7月8日[月]、8月12日[月・休]は開室 |
開室時間 | 9:30~17:30、金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで) |
会 場 | 東京都美術館〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36 |
②神戸
会 期 | 2024年9月14日[土]~12月8日[日] |
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会 場 | 神戸市立博物館〒650-0034 神戸市中央区京町24番地 |
①東京と②神戸の2会場で行われます。2024年5月現在では神戸市立博物館での詳細はまだ出ておりません。
次に、チケットについてですが、少し注意が必要です。
土曜・日曜・祝日及び8月20日以降は日時指定予約をしなければいけません。当日ふらっと寄っても空きがなければ入場することができませんので、あらかじめ予約しておきましょう。
8月16日までの平日であれば、予約せずに入場可能です。
チケットの料金は以下の通りです。
一般 | 大学生・専門学校生 | 65歳以上 |
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2,200円 | 1,300円 | 1,500円 |
また、平日限定で音声ガイド付きチケットも購入することができます。料金は2700円です。
デ・キリコはどんな人物?魅力は?
美術展の主人公デ・キリコですが、どんな人物なんでしょうか?何が彼の魅力なのでしょうか?
この記事では長々とした人物説明や、難しい言葉は使わずに、デ・キリコという人物の魅力について紹介して分かりやすく紹介していきたいと思います。
まずは、デ・キリコの最重要キーワードを1つ押さえておきましょう。
デ・キリコの最重要キーワード:形而上絵画
いきなりすごく難しい言葉が出てきましたが、形而上絵画って何でしょうか?嚙み砕いて考えていきたいと思います。
まずはデ・キリコが活躍した時代の流れから見ていきましょう。
デ・キリコの活躍した時代は簡単に言えば、「見たものをそのままに書くのはもう終わりだよね」という時代でした。見たものを客観的に描くという西洋絵画の伝統的な規範を破壊しようという運動が始まりつつありました。
デ・キリコは、客観ではなく主観を大事に絵を描こうとしました。
デ・キリコの絵は一見日常的な風景を描いているようですが、そこに描かれているのはどこかおかしい、日常世界を超えた世界なのです。
デ・キリコの作品を見れば、どなたもすぐにこう考えるでしょう。
一体何でこんなところにこんなものがあるのだろう?何でモチーフがこんな変な組み合わせになっているのだろう?
デ・キリコの絵に描かれた世界は合理的な思考では理解できないのです。それが形而上絵画の特徴です。
デ・キリコの絵は私たちに不気味さや不安さを与えますが、この謎めいた世界感は私たちを強く惹きつけます。頭で考えさせるのではなく、感覚に直接訴えかけてくるそんな作品ではないでしょうか。
デ・キリコにはお得意のモチーフがいくつかありますが、代表的なものはマネキンです。
デ・キリコ展の見どころは?
デ・キリコ展の見どころはどこにあるでしょうか?その見どころを確認しておきましょう!
デ・キリコ展は実は10年ほど前に開かれていました。今回は回顧展になるわけですね。
デ・キリコ展のホームページでは、3つの見どころが紹介されています。
見どころ1つ目
初期から描き続けた自画像や肖像画から、 画家の名声を高めた「形而上絵画」、西洋絵画の伝統に回帰した作品、そして晩年の「新形而上絵画」まで、世界各地から集まった100点以上の作品で デ・キリコ芸術の全体像に迫る大回顧展です。
https://dechirico.exhibit.jp/highlight.html 下線は筆者
先ほどデ・キリコの最重要ポイントである形而上絵画について解説しましたが、実は後に伝統的な西洋絵画のスタイルに回帰しているんですね。また、晩年には新形而上絵画なるスタイルを確立します。
いろんなデ・キリコの作品を一度に見られるのはおいしいですね。
見どころ2つ目
デ・キリコの代名詞ともいえる「形而上絵画」。とりわけサルバドール・ダリやルネ・マグリットをはじめ多くの画家に衝撃を与えた1910年代の作品も展示します。
同上。 下線は筆者
この時代の「形而上絵画」は世界中に散らばっており、まとめてみられる機会は貴重です。
デ・キリコの形而上絵画はいろんな国に行き渡っているので、作品を比較して見るのが困難でした。この展覧会は一度にそれらを見られるのですごくいい機会ですね。
同じ形而上絵画でもそれぞれ特徴があるので、ゆっくり鑑賞していくと新たな発見があるかもしれません。
見どころ3つ目
デ・キリコの活動は絵画のみに留まらず多岐にわたります。本展では彼の手掛けた彫刻や挿絵、さらには舞台衣装のデザインなども展示し、その幅広い創作活動をご紹介します「形而上絵画」だけではない、デ・キリコの魅力をご覧いただけます。
同上。 下線は筆者
デ・キリコは絵画以外にも彫刻など作品を手掛けています。あまり見る機会の少ないこういった創作活動も一緒に鑑賞することができます。
まとめ
2024年に絶対に外せない美術展「デ・キリコ展」を深掘りしてきました。東京と神戸を合わせると半年間ほどの長い期間開催していますので、ぜひ予定を立てて一度足を運んでみるのはいかがでしょうか。
デ・キリコを知っている人も知らない人もきっと新たな発見があると思います!